「あきらめる」

これから先、どんなことがあっても、
あの頃のように、前のように、
幸せを感じることはない。

それはけっして、
病んでるからでも、悲観しているからでも、絶望してひねくれてるからでもなく、
我が子を亡くすとは、そういうことなのだ。

だから、良い意味で、
あきらめよう。
あのキラキラした毎日は、二度とない。


しゅうちゃん
あなたは私の大切な大切な息子です。
それは前となにも変わらず、
これからもずっと変わらず、
あなたの幸せを願い、
あなたの笑顔を喜び、
あなたの未来を夢見ています。

でも、
あきらめた私を、ゆるしてください。
あなたの笑顔を、あなたの未来を
あきらめるつもりはありません。

ただ、
前とは見える景色が変わってしまった私は、
前と同じように、
美しものを美しいと感じ、
あたたかいものをあたたかいと感じ、
幸せなことを幸せだと感じることはないのだろうと思うのです。

そのことがあなたを傷つけてしまう日がくるのかもしれない。
でもそれが、
お兄ちゃんの思い出を胸に、
お兄ちゃんの死を抱えて、
お兄ちゃんとともに残りの人生を生きようとする、母の姿です。